2010/8/4-5
科学史サマースクールに参加。
(企画自体は三日間だけれども、都合により二日のみ。)

毎年企画の幅が広くなっていて、今回は実は、純粋な科学史の話は半分以下。
むしろ、科学史を含む「科学の○○」一般についての情報共有と意見交換が
主眼であったように思う。なお「科学の○○」とは、科学史だけでなく、
科学哲学とかSTSとか科学コミュニケーションとか、そういうものいろいろ、のこと。

特に二日目最後の(事実上)フリーなディスカッションはよかった。
考えてみれば、科学史というものの位置づけについて
関連する他分野や関心のある外部の方と議論するという機会は
(少なくとも僕にとっては)これまでなかったので。

以下、自分なりに考えたことのメモ。
ひとまず四つの疑問※という形でまとめてみた。

※「疑問」とは、ニュートンの『光学』の最後にある、
さまざまな自然現象に関する暫定的なアイディアを書き並べたセクションのこと。


疑問1.
knowledge of science, knowledge about science, knowledge for science
という三つの側面を意識的に区別するとよいのではないか。
科学史(あるいは「科学の○○」一般)は状況に応じて、
この三つのいずれにも資するところがあるのではないか。

疑問2.
科学哲学、科学史、科学社会学、科学コミュニケーションetc.について、
その来歴(特に日本における)を比較検討してみるべきではないか。
それらはどういう問題関心から出発し、どういう変遷を経てきたのか。
それらのあいだにはどのようなつながりがあり、またつながりうるのか。

疑問3.
ブラックボックスとしての社会、というアイディアを積極的に活用することが
科学史etc.の「戦術」としては有力なのではないか。
しかし一方で、長期的には、科学史それ自体のよさを正面から広く
アピールしない限り、事態は何も変わらないのではないか。

疑問4.
ある特定の事柄について知ることが他の事柄への関心を誘発するような、
そういう教え方を目指すべきではないか。
教育としての科学史を科学史自体とは区別しておくべきではないか。


それから、今回参加したことの意外な収穫は、
K先生およびM先生と初めて面識を持ったこと。
どちらもほんの少ししかお話できなかったのが残念だが・・・。
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by ariga_phs | 2010-08-05 23:59 | 歳歳年年
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筆者プロフィール
有賀暢迪(1982年生)
科学史家。筑波在住。
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