20世紀物理学勉強会がスタート。
20世紀の物理学史の定評ある教科書、
Helge Kragh,
Quantum Generations: A History of Physics in the Twentieth Century,
Princeton: Princeton University Press, c1999.
を読む勉強会が今日からスタートした。
(もっとも、今日は顔合わせ程度で、内容に入るのは次回から。)
全29章、来年7月までを予定している長丁場の勉強会だ。
まだ1章しか読んでいないが、テキストには非常に好感を持った。
英語は平易だし内容はよくまとまっているし、
物理学の知識も"elementary level"で問題ない。
また、目次を見る限り、純粋に理論的な話だけでなく
社会的バックグラウンドや応用物理学的な話題についても
しっかりと書かれていて、バランスの取れた構成になっていると思う。
個人的に、現在の科学史の低迷を打破するにはまず
良質の教科書を翻訳して出版するのが近道だと思っていて、
その観点からするとこの本は訳すだけの価値があると思う。
僕としては、自分の性格からして、訳せという話になれば
やらないこともないだろうと思うのだが、
なにぶん博士論文を書かないといけない本来の専門領域との距離が
大きすぎるので、自発的に手を挙げるのはためらわれるところだ。
ともかく、意外と参加者(聴講者)も多いことだし、
頑張って主宰していきたい。