科学史西日本大会という名の会に行ってきた。
文字通り関西の科学史関係者を中心とする会だけれども、
実際の参加者は関東などからもあったりする。
規模は小規模で、10人弱が発表して、参加者も20人程度。
その代わりといってはなんだが、学会の年会より発表時間が長いし、
一会場で行われるので(年会は複数の会場に分かれる)、
普段接する機会のない話に触れられるというメリットがある。
昨年は僕も発表したのだが、今回はちょっと充電期間中のため差し控えた。
その代わり、ではないが、後輩のI氏が発表デビュー。
2回リハーサルをやって臨んだけれども、今日の方がよくなっていたと思う。
(課題などもいろいろ感じたと思いますが、とりあえずおつかれさまでした。)
それにしても、I氏の発表内容の題材の難解さにもかかわらず、
H先生やKさん(「先生」と呼ぶのもなんですので…)が適切なコメントをされていて、
さすがと思うと同時に嬉しかった。
そのほかの発表に関しても、全体的に昨年より興味深く聴くことができた。
たぶんこれは一つには、一年の間にいろいろと聞いたり勉強したりした結果、
他分野の話を聞く素地ができてきた結果なのだと思う。
ロシア(ソ連)の話とか、少し前まで面白いとは感じなかったのだが、
最近はいろいろと頭の中で比較ができるようになった。
例えば、懇親会の席でいろいろ話をうかがっている中でも、
唯物論とエンゲルスの思想(と言うよりむしろ自然観)の話題が出たのだが、
それが僕個人の研究課題(18世紀の力学)にも関連しうるというのは意外だった。
どこでどんなつながりをしてくるか分からない、とつくづく思う。
それと、今回は特別講演ということで金沢大のT先生が来られていて、
ガリレオに関する相当マニアックな話をされた。
(なんでも、学会関連の行事で話されるのは十年以上ぶりとか。)
いくつかの断片的な史料をもとに、ある出来事が起こった2ヶ月ほどの間の
ガリレオの行動を推測・復元していくというもので、
個人的にはこういう推理小説めいたことは大好きである。
重箱の隅であっても、極めればこれだけ面白くなるという見本かと思う。
最後に、KさんとO先生に、いま勉強会で読んでいるテキスト、
Quantum Generations を売り込んできた。さて、どうなることか。