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いまさら科学論?
いまさらながら、科学論入門。



生命研の標葉氏主宰の、『科学論の現在』を読む勉強会に参加している。
各自テキストを読んできた上で、標葉氏が内容を改めて解説するというスタイルだが、
この勉強会が非常によい。ものすごく勉強になる。

特によいのは、参加者のほぼ全員が科学論に関する素人(むしろ理系畑の人たち)だという点。
必然的に、説明はできる限り平易な、具体的なものになる。
そのぶん時間は取られるが、満足度は想像していなかったほど高い。
2、3年ほど前に、英語で書かれた科学論のテキストを読む勉強会があったが、
あのときと比べて遥かによくわかるし、問題意識に相当共感できているのが自分で感じられる。
(もっとも、だからと言ってそちらの方向の研究がしてみたいかと言われれば話は別だが。)
また、こういったメタ科学の議論を現場の科学者はどう感じるのか、という点に
直接触れることができるのもこの勉強会の大きな魅力だと思う。

今日の内容は、実験室の人類学からアクターネットワーク理論その他へと展開していく話(第2章)。
率直に書くが、僕は今日の標葉氏の解説を聞いていて初めて、ラトゥールは読む価値があると思った。
人の解説を聞いての感想なので実際どうなのかは読んでみるまで何とも言えないけれども、たぶん、
価値観には共鳴できない部分もあるが関心やものの見方は大いに被っているのではないか。
その発見だけでも今日の勉強会は意味があった。

さらに今日は、この章の執筆者である阪大の平川先生がゲストとして来られていた。
当然のごとく、勉強会後は先生を含めて食事(飲み会)だったわけだけれども、
これほど有意義だった飲み会もまた珍しい。
具体的に何が、ということではなく、やはりものごとはいろいろなところでつながるものだ、というのが。
実に、勉強会3時間+飲み会3時間という長丁場だったにもかかわらず、
あっという間に時間が経ってしまった。帰宅したらすでに日が変わっていた。

風邪が治ってから初めてお酒を飲んだし、さすがに少し疲れたので、
できれば明朝はゆっくりと寝ていたいところだ。
が、明日はなんと10時から研究室の大掃除の予定。・・・ちゃんと起きられるのだろうか。。
by ariga_phs | 2009-03-05 00:52 | 歳歳年年
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筆者プロフィール
有賀暢迪(1982年生)
科学史家。筑波在住。
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