2009/11/19
発表準備の続き。ここに来て言葉の使い方に悩む。
「認識論的」と「存在論的」という二つの言い方の対比でよいと思っていたが
手持ちの材料に照らす限りだとちょっとこの表現では強すぎる気がする。
しかしほかに適切な言い方があるだろうか。

夕方(夜)に再び阪大を訪れて、講演(というか一般向け講義のようなもの)を聴く。
講師は阪大に滞在中のチェコ人の方で、専門はむしろ教会史らしいのだが、
今回は「魔術と近世ヨーロッパにおける科学の誕生」という話題。
おおむね15世紀から16世紀にかけての魔術の興隆と衰退を概観する内容で、
僕としても見通しの良いパースペクティヴが得られてよかった。
具体的な思想の中身にはほとんど触れられなかったし、解説されたところで僕もそのあたりは
正直よくわからないだろうが(しかも今回は英語だし)、どういう歴史的な経緯があったのかを
一般の人に説明するという意味ではこのくらいが逆にちょうどよかったように思う。
ただ、進行役のN先生を別にすればたぶん聴衆に僕しか科学史関係者がいないという
状況の中で、ほかの人たちがどういう印象を持ったのかは残念ながらよくわからない。

以下個人的な感想。
今回の話を聴いていて、何かを知ろうとするときの目線が過去を向くか未来を向くかが
近代とそれ以前を分かつ重要なポイントだという印象がいっそう強まった
(なお、この意味では、十八世紀は明らかに近代の側に入る)。
いわゆる十七世紀の科学革命も含めて、近世ヨーロッパ科学史の最大の課題は
もしかするとこのプロセスを考察することなのかもしれない。
そしてその観点からすると、魔術の興隆と衰退というのはとても象徴的な出来事に思える。

終了後、同じく聴きに来ていたSさんと夕飯、そのまま京都まで一緒に戻る。
おつかれさまでした、今度気が向いたときに誘いますんでよろしくm(_ _)m
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by ariga_phs | 2009-11-19 23:59 | 歳歳年年
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筆者プロフィール
有賀暢迪(1982年生)
科学史家。筑波在住。
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