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2010/6/29-30
1.依頼原稿をなんとか書いた。
例によって全然満足がいかないのだが、最低限の仕事はした、と思いたい。

 題材:ス・グラーフェサンデ(←今後この表記でいこうと思う)の実験と活力論争
 想定読者:高校の理科(特に物理)の先生

なお、発行は9月ということだが、一般に読めるのがいつになるのかは不明
(そのうちウェブサイトでも公開されるらしいのだが)。
またお知らせします。

2.ダントー『物語としての歴史:歴史の分析哲学』を読了。
どうだろう、大学院に入った頃に読んでいたらこっちを志した可能性もありそうだ(!)

面白いと思う点は大きく二つあって、ひとつは時間と言語の関係。
特に、時制を持つ文をどう考えたらよいか、という問題の考察と、
出来事をすべて書き並べたものが歴史になりうるかどうかを言語の問題として
分析するくだりが非常にスリリング。

もうひとつはこの本の主題である「物語文」と、それに基づくいわば歴史の理論。
率直に言ってこの本は僕が漠然と思っていることにかなり的確な言語表現を与えていると思う。
そうすると逆に、自分のやっていること(論文なり発表なり)が適切なものになっているかどうか
ある程度これに照らしてチェックできるのではないか、という印象を持った。
そこで過去に行ったあれこれを想い起こして見ると・・・、
・・・うん、なんだかどれもいまひとつな気が(汗)
ここはひとつ、「セオリー通り」のようなことを試しにやってみてもいいのかもしれない。

それでさっそくというか、7月は2つ話をする機会がある。

12日は数理物理系の研究集会(@数理解析研究所)。
I先生ともども、ゲストスピーカーとして呼んでいただいた。大変有難いことだ。
「黎明期の変分力学:オイラーからラグランジュへ」というタイトルで話す予定。
力学の理論史的な話をするのは実に久しぶり。
この機会に、最小作用の原理の話を「わかりやすく」総括したい。

24日はSTSNJの関西定例会。
まだ完全には固まっていないが、いまのところ、
「18世紀ヨーロッパにおける科学と公衆(と数学)」をどう見るか、
について私見(というか悩み)を述べてみたいと思っている。

相変わらず忙しいわけだが、やっていることは無駄ではないと思うので頑張ろう。

・・・しかし今日明日は片付けと掃除をしたい、です。。
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by ariga_phs | 2010-06-30 21:57 | 歳歳年年

2010/6/25-28
18世紀学会参加のため、新潟へ。
学会は土日の二日だが、さすがに遠いので前後泊することにした。

実をいうと今回は発表したわけでもないし、そんなに人と喋ってきたわけでもないのだが、
いくつか収穫はあった。

まず、科学史関係の内容で発表をされたお二人(しかし科学史関係者ではない)とは
一応の面識を作ってきたので、将来的に18世紀科学史関係の研究会でもできれば、と。
ちなみに内容はというと、一つがビュフォンでもう一つが獣医学校。
特に後者はとても面白いところに目を付けたな、と思う内容だった。

それから、『百科全書』プロジェクトでお世話になっているS先生とH先生と少し話をして、
『百科全書』にまつわる質問をいくつかしてきた。
予想通り、「人間知識の系統詳述」は版によって若干違いがあるようだ(!)
その点も含め、この百科事典の(研究上の)問題点は信頼できる定本がない、
ということにほとんど尽きるように思う(実際、引用するときに毎回悩んでいる)。

以下は学会のその他の発表内容に関する私見。

・ズルツァーの美学理論はどう聞いてみても、言わば「精神の動力学」としか思えない。
という感想をH先生(美学)にお話ししてみたところ、まったく同意された。
「運動」とか「力(エネルギー)」とか、使っている語彙がまったく力学なのだし。
ちなみにズルツァーという人物はオイラーと非常に近しいので、
そのあたりの関係も気になるところである。

・今回の共通論題「趣=味」の中のヨーロッパを扱った一連の発表と、
これと関連する主題のもう一つ別の発表を聴いていて、
コミュニケーションの可能性が全体を貫く一つのテーマであるように感じた。
感覚(今回の場合は味覚という、普通注目されないものを取り上げたわけだが)は
万人に共通なのか、そうではないのか。
あるいは、趣味(センス、というような意味での)とは先天的なものなのか、
後から何らかの方法で身につけることができるものなのか。
それは結局、人は他人と感情や判断を共有できるか否か、というところを回っている気がする。

さらに面白いのは、たぶんこの議論は理性をめぐる考え方ともパラレルだということ。
デカルトの言うように良識は万人に備わっているのかそうではないのか、
もっと言うと誰でも同じように考えることができるのかどうか、
という問題が啓蒙主義の根幹にあると僕は思っていて
(それが可能である、あるいは可能に違いない、というのが啓蒙主義の理念なのだが、
現実問題としてはどうか、というところに問題がある)、
「趣=味」の話もそれと同型だな、と感じた。

それから、今回は学会に行って帰ってくるだけで相当な時間がかかった。
(北陸線経由で、金沢で特急を乗り継ぐルート。
京都-金沢は2時間強だが、金沢-新潟は3時間半以上かかった。)
その結果、本を読む時間は大量にあって、なかなか読めずにいたものを読めたのが
案外大きな収穫だったと言えるかもしれない。


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新潟もそこまで涼しくはないな、わりと暑いなと思っていたのだが、
京都に帰ってきたら次元が違った・・・。
旅疲れもあって、帰京後数時間で早くも夏バテ気味。。

しかし身体はともかく、精神的にはずいぶんと元気になった。
原稿書こう。
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by ariga_phs | 2010-06-28 21:04 | 歳歳年年

2010/6/24
授業2回目。
まだ考えがまとまりきっていないのだけれども、さっぱり駄目だったのは間違いない。

とりあえずこの二回で認識したのは、
・聴きとりにくい喋り方になっている(らしい)ときほど自覚が薄くなる
・用意した分量が多いほど質が下がる
・時系列に沿って話そうとする癖がある
といった点。

結局のところ、僕の場合、内容・構成の悪さを喋りでカヴァーできるとは思えないので
前者を何とかしておかないとどうしようもないのだが、今回はそこですでに失敗していた、と。
(詰め込みすぎだし、話の順番もよくないし。)

それ以上に、自分でもとても不思議なのだが、なぜこういう場だと
自分が面白いと思うことを自分が面白いと思うように話せないのだろうか。
無意識的に変な縛りがかかっているような感じがして、とても気持ち悪い。
・・・そのあたりも含めて、来月もう一度挑戦してみたい。


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明日から学会のため遠出してきます。よい気分転換になるとよいなあ・・・。
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by ariga_phs | 2010-06-24 21:27 | 歳歳年年

2010/6/20
夜、前々から書こうと思っていた「フォントネル」の記事を作ってウェブサイトに掲載する。
ある意味で、最近一番興味を持っているのがこの人物。
博論でも少し取り上げるつもりではいるのだけれども、
もうちょっと重要な役回りを与えられないものかと思う今日この頃・・・。

それにしても人物の記事を書くのはずいぶんと久しぶりだった、ということに気付いた。
でもやっぱり、これはやっていて楽しい。
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by ariga_phs | 2010-06-20 22:40 | 歳歳年年

2010/6/19
午後、読書会と勉強会とを続けて2つ。

1つめ、La science contre l'opnion, 第1部の3章と4章。
18世紀から19世紀のフランスでの、科学とpublic(一般の人々)との複雑な関係。
あるいは、「理想としては」と「現実には」との緊張。いろいろと考えさせられる。
(というか、どう考えてもこれは近い将来本気でやらざるを得ないテーマだと思う。)
なお今日は、NさんとBさんと三人だったので、ディスカッションが
6割フランス語、3割日本語、1割英語というよくわからないことになっていた。
聞いている分にはだいたいわかるのだが、喋るのは難しい・・・(フランス語)。

そのあと、科学史の勉強会。18世紀の百科事典の話について報告する。
この時代の科学(学問)の分類は謎が多くて、どうやったらそういう分類になるのか
その感覚をわかりたいと思ってずっとやっているのだがまだ掴めた気はしない。
もっとも人によってだいぶ考え方が違うのも確かで、一概にものは言えないと思うが。

さらにそのあと、日本-オランダ戦を無視して4人で飲む。
あとから考えてみると随分ヘンなメンバーだったが、なかなか楽しかったですね。
W杯も興味ないわけじゃないんですが、まあこれはこれで。


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以上でここしばらくの密集スケジュールを抜けたので、だいぶ気楽になった。
次回の講義の準備はほとんど終わっているので、次は月末締切の依頼原稿だな。
でもその前に、一日くらいのんびりしようか。
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by ariga_phs | 2010-06-19 23:59 | 歳歳年年

2010/6/18
午前中、明日のレジュメ作り。

夕方、R大学まで出かけてKさん・Iさんとの読書会兼お茶会。
今回が初回だが、この会は思った以上に楽しい、ということがわかった。
知らないことをテキストベースで学ぶ勉強会もそれはそれで大事だと思うのだが、
話をある程度わかっている人たちでテキストをたたき台にして自由に喋るというのも重要だ
(というのが今年度の活動の指針)。

終了後、そのまま二次会ということでいろいろと喋る。(ご馳走様でした!)
そして、ずっと凍結されていた某プロジェクトも2年ぶりくらいに本格的に始動、
、、、

・・・と思っていいんだろうか?
いや、本当にやるのなら尽力しようとは思うわけですが。
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by ariga_phs | 2010-06-18 22:59 | 歳歳年年

2010/6/17
授業の第1回目(担当は今日と来週の2回だけだが)。
今回は科学史そのものへのイントロダクションと、
18世紀の「科学」は雰囲気がいまとだいぶ違いますね、という話。

今回、喋る内容は少しだけにしてみたつもりだった。
話し始めてみたら、予想していたよりもさらに少なくて、必然的にゆっくり進めざるを得なくなった。
で、これはいくらなんでも緩慢すぎるだろうと思いつつ90分をこなしたのだが、
聴いている側にはこのくらいでむしろちょうどよかったらしい。・・・なかなか難しい。

もうひとつ、あれこれと工夫はしてみたのだが、どうしても場の空気を掌握できなかった。
あの教室は難しい。部屋が縦長なのにそんなに聴講者が多いわけではなく、
人が後ろのほうに固まってしまうのだ。何かよい手立てはないものか・・・。
それと、これはもうずっと昔からの課題だが、声の大きさは必ずしも十分ではなかった模様。
本格的に話し方の訓練をしたほうがいいのかもしれない。

内容に関しては、どんなことに興味を持ってもらえるかわからなかったのでとりあえず
いろいろと見せてみたのだが、『百科全書』の「知識の系統樹」が群を抜いて面白かったらしい。
ちょっと意外。だとすると、次回の時間配分をどうするか考えたほうがよさそうだ。

全体として今日の講義は、自分ではぎりぎり60点くらい。
来週は70点を目指そう・・・。
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by ariga_phs | 2010-06-17 22:42 | 歳歳年年

2010/6/14-16
(A)
講義の準備は(来週分も含めて)だいたいできた。
一度こういうふうに話を整理してみると、ずいぶんと見通しがよくなってくるものだ。
ただ、その過程ではっきり自覚してきた問題意識というのがあって、この扱いが悩ましい。
とりあえず来月、某所でこの方面の話をすることになったのだけれど、
そうするとその勢いで9月の某企画も参加すべきだろうか、と思わなくもない。
残念なことに、と言うべきかどうかわからないが、
この問題意識はたぶん僕にとって本質的すぎて無視できない、と思う。

(B)
久しぶりに、自分の博士論文に直接関わる先行研究に遭遇した。
つい最近出たばかりの論文で、活力論争に関するオイラーの1745年の論考を分析している。
その論考はある意味、僕の博論の中核になる一編で、それに注目したこと自体はよいと思うし、
この研究論文でなされている議論にも大筋で不服はないのだが、複雑な心境だ。
というのは、僕は3年前にこの論考を読んで以来、それが書かれるまでの経緯と
時代背景とを追い続けてきたと言っても過言ではないからだ。
つまり、この研究論文に書いてあるくらいのことはとっくに知っていたのだが、
その歴史的位置付けを明らかにしない限り満足できない、と思ってやってきたのだ。
自分ではようやく7合目くらいまで来たと感じているのだが、同時に先は長いとも感じている。
そういう次第なので、オイラーのこの論考の分析だけで一編の論文になっているというのが
僕の感覚では納得できない。
しかも、挙げるべき先行研究も二つほど抜けているし、一箇所とんでもない誤解があるし・・・。
だが一方で、そもそもこの論考自体、これまでまったく議論されてこなかったのは確かだし、
僕もこの話題については何一つ公に発表したことがないので、非難できる筋合はない。

・・・。

もう一つ、ISISの最新号で、オイラーを扱っている本の書評が出ているのを読んだ。
まったく期待外れ、というのがそこでの評価で、確かにその書評で引かれている文章を見れば
そう思わざるを得ない。
実を言うとその本、僕も昨年購入して積読状態になっているのだが、一気に読む気が失せた
(確かに、見た感じ、これはいまいちかも、とは思ったのだ。高かったのに・・・)。

こういう状況を見ていると、いくら自分の進めている研究がまだまだ不完全とは言え、
中途半端な状態であっても発表したほうがいいんじゃないか、
現状でも自分のほうがまだましなことを言えるんじゃないか、という誘惑に駆られる。



・・・要するにここしばらくの不安定な状況は、
やりたいことが自分のなかで二極化しているということに原因があるわけだ。
と言うより、やるべきなのはBだがやりたいのはどちらかというとA、という状況。
現実的な解決策が「Aはひとまず置いておいてBをまずやれ」なのはわかっているが、
しかし博士論文とはそういう気分で片付けられるものではないだろう。
よくも悪くも、没入しないと駄目なのだ。
自分としては何とか、Aの問題意識をBのなかにうまく取り込みたいのだが・・・。

・・・。

展望はないのだが、ともかく、

明日(と来週)の講義は楽しんでやりたい。
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by ariga_phs | 2010-06-16 22:03 | 歳歳年年

2010/6/13
ほぼ終日仕事。
夜、父が来ていたので家族で食事に行く。

部屋の蛍光灯が切れたので新しいものに交換したら、
信じられないくらい明るくなった。今までの環境って・・・


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今月後半の主な予定:
17(木):講義第1回目[90%済]
18(金):読書会[未読]
19(土):読書会[読了]+勉強会[レジュメ未作成]

24(木):講義第2回目[60%済]
25(金)~28(月):学会参加(およびその前後)

30(水):原稿締切[構想中]
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by ariga_phs | 2010-06-13 23:00 | 歳歳年年

2010/6/12
午前、会議。

午後、半日休みにして遊びに出かける。
工芸繊維大の資料館で荒川修作+マドリン・ギンズの展覧会を見たあと、
一乗寺に移動して萩書房と恵文社を訪問(もしかして一年ぶりくらい?)。
そのあと南下して、Weekendersにてコーヒーを飲みつつぼーっとする。
店に置いてあった本のなかから適当に手に取った高山なおみのエッセイ
『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』が秀逸だった。


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ここしばらくの、研究に関する無気力状態・逃避衝動からようやく抜けた模様。
住民税の通知も来たことだし、仕事しよう。

今月後半の主な予定:
17(木):講義第1回目[準備中]
18(金):読書会[未読]
19(土):読書会[半読]+勉強会[レジュメ未作成]

24(木):講義第2回目[準備中]
25(金)~28(月):学会参加(およびその前後)

30(水):原稿締切[構想中]
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by ariga_phs | 2010-06-12 20:57 | 歳歳年年


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筆者プロフィール
有賀暢迪(1982年生)
科学史家。筑波在住。
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