田中浩朗「帝国物理技術研究所設立期におけるドイツ物理学の制度的問題」
『科学史・科学哲学』第9号 [n.d.], 1-11頁
帝国物理技術研究所 Physikalisch-Technische Reichsanstalt (PTR, 1887年設立)の設立背景について。ジーメンスやヘルムホルツなどの設立推進者が何を訴えたか、その時代背景は何か、を検討している。
結論として、当時のドイツの物理学をめぐる問題の根本は「物理学
研究を職務とする科学者がいないこと」だったとされている。なかなか興味深い。
意外とアクチュアルな論点をいろいろと含んでいるかもしれない。PTR設立時に何が訴えられたかということを、たとえば18世紀のアカデミーの場合(隠岐さんの本)と比べてみると面白そうだ。